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GIOS MIGNON

 
  
 2007 GIOS MIGNON
 
   

購入までの軌跡

2010年5月現在、所有するチャリの中で最も新しい一台。

自転車道楽はLOOK 595 ULTRAで行くところまで行ってしまったので、もう打ち止めのはずであったが、プロが使うようなスーパーバイクが、自分の体のスペックに全く相応しくない自転車であることが理解出来るまでには、そう長くはかからなかった。
使いこなせない道具というのは、たとえそれがどんなに素晴らしいものであっても…むしろそうであるからこそ…一抹の侘しさを感じずにはいられないものだ。

ロード乗りはどういうわけか、ある程度車体を買い換えていくと、誇らしげにブランド名が入ったフルカーボンの新鋭車から、クロモリやチタン製の地味なモデルに乗り換えてしまうという行動に出ることがある。
この時、それまで同様に700Cで買い替えることもあれば、小回りの利く小径車…いわゆるミニヴェロに興味の対象が移る場合もあり、エンゾーは後者のパターンだった。TPOを考えずに「いつでもどこでもLOOK」というのは、近所のコンビニにフェラーリで乗りつけるようなもので、小心者には気恥ずかしさを伴うのだ。自転車とは本来、もっと気軽な乗り物であるはずだ。
それに、LOOKはその性格上、どうしても乗った瞬間に戦闘モードに入ってしまうところがあり、のほほんとしたポタリングにはまったく向かなかった。


そういう訳で、ミニヴェロをいろいろ物色した挙句、最終的に候補に残ったのがGIOSだった。GIOSと言えば「GIOS BLUE」で知られるイタリアンバイクの老舗であり、正統派のレースモデルも作っているが、一方でミニヴェロの展開にも熱心で、グレードやハンドル形状の違いなども含めると、かなりのラインナップを誇っている。
自分の好みとして「ドロップハンドルであること」は外せなかったので、そうなるとトップグレードのPANTO(パント)かセカンドグレードのFELUCA(フェルーカ)、もしくはレトロに振ったANTICO(アンティーコ)が候補になる。

ところが、ある日何気なくヤフオクを見ていると、本来フラットバーであるはずの下級グレード・MIGNON(ミグノン)が、ドロップハンドルに換装された状態で出品されているのが目に止まった。出品者に寄る説明をよく読むと、シフターやディレイラー、クランクなどは、デフォルトの安いパーツからシマノのティアグラにアップグレードされていた。このパーツ構成は、ブレーキやホイールを除けば最上級モデルのPANTOとさほど変らない。

もともとMIGNONは比較的安価な設定なので、カスタムベースにされることも多い車体だが、ここまで手を入れてあれば、後がずいぶんと楽だ。結局、もともとの新車価格とほとんど同じくらいで、チューンナップされたMIGNONを手にいれることが出来た。
実はこの出会いが、思っていた以上に貴重なものであったことが後々分かるのであるが、それについては後述する。


さて、我が家にやって来た時、以前の持ち主によって交換されたドロップハンドルには、チッポリーニもかくやと言うような派手なバーテープが巻いてあったので、まずこれを白一色のもので巻き直した。同時に、試し乗りしてシマノのチェーンと相性が悪いことが分かったメーカー不明の粗悪なスプロケットを、ティアグラに交換した。
また、サドルの質が悪くて座り心地が最悪に近かったので、LOOKで味をしめたSPECIALIZEDのALIAS(138mm)に交換。ついでに、使い込まれてボロボロになっていたタイヤとチューブも新品に交換した(タイヤはパナレーサー)。

これだけ一気に変えると、乗り味は完全に別のモノになる。いかにも小口径車らしい漕ぎ出しの軽さや加速力はさすがで、40km/hまではあっという間だ。見た目の割に重量が10kgちょっとあるので、スピードに乗ってからの巡航性能も高く、平坦路には非常に強い。
ただ、小口径車らしさという意味では苦手な部分もキッチり受け継いでいて、ハンドリングは多少神経質だ。直進安定性も700Cのような訳には行かない。

それから、意外と難儀するのがポジションの決定である。小口径車だからトップチューブが短めでゆったりした乗車姿勢を取れるだろうと思っていたら、これが大アマで、思いっきり角度が寝ているシートピラーのお陰で、少しサドルを上げるだけでグッとハンドルが遠ざかる。そのため、最適なポジションが出るまでに意外なほど時間を費やした。
考えてみれば、数センチ刻みでフレームが用意されているフルサイズのロードバイクと異なり、ミニヴェロは良くても2サイズ展開だ。ポジション出しにてこずるのももっともな話である。

問題が残るのはブレーキだ。デフォルトで採用されているTEKTROはかなり制動力が低く、レバーを引いたときの感触も良くない。ブレーキは命を預ける最も重要なパーツの一つなので、これも近々、105もしくはアルテグラに交換しようと目論んでいる。
ちなみに、GIOSの小口径車はブレーキの取り付け位置に癖があって、フロントはいいのだが、リアは通常のシマノのキャリパー(アーチサイズが49ミリのもの)だと長さが足りずに使えない。従って、ロングアーチが必須である。

いじり倒すのであれば、他にもホイールやステム、シートポストなどもより軽量なものに交換することが可能だが、軽量化に注力したバイクに乗りたいのであればLOOKに跨ればいいわけで、MIGNONはあまり追い込みすぎず「ある程度隙のある状態」でやめておくことにした。


最後に見た目の話。
今まで700Cの自転車だと、自分の身長に合わせたXSサイズでは、多くの場合フレームのジオメトリーが歪になり、最も調和が取れて美しいMサイズあたりのフレームと比較するとフォルムが崩れるので、つねづね自分の背の低さを恨めしく思っていた。
しかし、こと小口径車に限って言えば、ホリゾンタルなフォルムを採用するラージサイズよりも、ややスローピング気味のSサイズのフレーム方が、20インチホイールとのバランスが良い。自転車を趣味にして以来、初めて「背が低くてよかった!」と思えた瞬間である。

  
  (ホリゾンタルなPANTO。これはこれで十分美しいが、後ろ三角が窮屈に感じるのが惜しい)

しかし、この事についてよくよく調べてみると、意外なことが分かった。実はGIOSのミニヴェロでスローピングフレームを採用しているのは、なんとMIGNONの470サイズのみであった。他のモデルはすべて、グレードやサイズに関わらずホリゾンタルフレームだったのである。もし、エンゾーが新車でドロップハンドルつきのモデルから選んでいたら、希望のスタイルの自転車は手に入れられなかったことになる。そんなことを知らないまま、たまたまヤフオクに出品されていた最も自分の好みに合ったモデルをピンポイントで手に入れていたというわけだ。偶然とは恐ろしいものだ。

そんなエンゾーのささやかな自己満足にまったく関係なく、伝統の「GIOSブルー」は、今日も深く鮮やかで、美しいのであった。



後で買い足したもの

            サドル(SPECIALIZED ALIAS 130mm)
            ペダル(SHIMANO PD-A530)
            前後ライト(TOPEAK HighLite Combo)
            ボトルケージ(TOPEAK)

              
パーツデータ
 
Frame        GIOS MIGNON Cr-Mo
Fork         GIOS ORISINAL Cr-Mo Fork 1
Main Component SHIMANO Tiagra
HeadSet      H827W
HandleBar     NO DATA
Stem        NO DATA
Brakes       TECTRO 510A
Crankset      SHIMANO Tiagra
Cassette      SHIMANO Tiagra
Pedals       SHIMANO PD-A530
Wheels       ALEX DA22 20in 32H 14G
Tires        Panasonic PANARACER 700x23C
Derailleurs R/F  SHIMANO Tiagra
Shifters       SHIMANO Tiagra
Saddle       SPECIALIZED ALIAS 130mm
Size          47
Color         GIOS BLUE

フレームサイズ           47
シートチューブ長          470mm
トップチューブ長(水平)      520mm
トップチューブ長(実測)      ?mm
ハンガー下がり           ?mm
シートチューブ角度         70
トップチューブスローピング角度  3





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